クリエイティブディレクター

鈴木.N Suzuki.N(2024年入社)

クリエイティブディレクター
/グラフィックデザイナー

岡田 Okada(2013年入社)

JOETSUグループで求められているデザインとは
求められているデザインとは

クリエイティブディレクターとして活躍している二人にデザインへ対する考え方や、JOETSUグループで働いてほしいデザイナー像について語ってもらいました。トータル・コミュニケーションデザイン(TCD)の概要と、このサービスが必要とされる時代背景についても触れています。デザインに関する見識が深まること、間違いなしです。

デザイン経営(TCD)が
必要な時代になっている

日本で認識されているデザインって、どうしても見た目の装飾をする「形のデザイン」なんです。でも今は、見た目だけを良くしてもモノが売れない時代になっています。多くの人がスマホなどからインターネットを利用してリサーチし、自分たちでマーケティングできるようになったからです。消費者が生産者から提供されたものをただ消費するという構図が崩れ、「消費者」ではなく「生活者」と呼ばれるようになりました。このような状況では、見た目だけ良くしても、企業の活動や目的が不明瞭だと生活者はその商品を購入しなくなります。主語が会社から社会に変わって、会社が社会から問われる役割が変わってきました。
そこで大事なのがデザイン経営=トータルコミュニケーションデザイン(TCD)です。JOETSUグループでは、TCDという考え方をもとに企業のブランディング支援を行っています。ブランディングとは何かというと、その企業が今よりも良くなる活動、社会に認知されるために行うことで、その際に重要になるのが「考えのデザイン」です。世の中に必要とされる企業だということ、その存在意義を、考えのデザインで言葉にする必要があります。

僕は、JOETSUグループで掲げている「思いをカタチにする」というメッセージの意味するところと、これが必要な理由についても考える必要があると思っています。理由の一つとして、先程岡田さんがおっしゃったように、誰もがスマホでリサーチし、モノが買える時代背景があります。情報もモノも溢れて差異がなくなっていく中で、生活者がお金を払う時に「人が見えなくなっている」状況があると感じています。例えばコンビニでモノを選んで買う時にも、商品の向こうにそれをつくる人がいる。基本的に経済はお金の向こうに人がいます。そして辿っていくと、根本には経営者の思いがある。
買う時には、いちいちその思いを知ってもらう必要はないわけです。けれども、他社と比較したり、何度もリピートしたり、自分が払ったお金の行く先がどうなるのかを考えた時に、経営者の思いとか熱意とかビジョンに辿り着く。なので、経営者の思いをカタチにして伝えなければいけない時代になっていて、私たちのサービスが今後より重要になってくるだろうと感じています。

経営者の思い=企業の思いですからね。鈴木さんがお話したところに繋がりますが、「お金をこの会社に払ったら、社会に対してどういう活動をしてくれるんだろう」と思われるようになりました。
その際に大事なのはやはり思いをカタチにすること。思いというのは考えることなので、しっかり考えのデザインをして、次に、社会に伝わっていくように形のデザインをするということ。この2つのデザインが重要だと思っています。

「考えのデザイン」のコツとは

まずは、社会問題に自分自身で触れたり考えたりすることが必要です。ニュースを見て世の中の動向を知ったり、経済のことを理解したり。企業を経営している方は、世の中にどんな役割で自分の会社が機能しないといけないか絶対に考えています。社会の問題や課題について、常日頃から自分ごととして意識していないと、経営者とは会話ができないと思います。
あと、とにかく色々なことに疑問を持って仕事に携わること。例えばチラシの制作依頼があったときに、本当の課題はチラシを作ることではないんじゃないかと疑う。課題を疑って、それに対してもう一回課題を再設定できるかどうかが重要です。より大きな課題や問題を想像することができないと課題の再設定ができないので、そのためにも世間のことを知る必要があります。デザインは世の中を今より良くするための活動なので、そのためにはどうしたらいいか、日々勉強したり、本を読んだり、映画を見たり、音楽を聴いたり、様々なことが全部課題に対するソリューションにつながるような気がしています。

考えのデザインに大事なこと……そうですね、まずは観察力。観察力と、そこに紐づく形で本質を捉えることが大事だと思っています。本質は英語でEssentialで、不可欠な要素という意味です。経営者から聞いたことの中から、この企業において不可欠な要素が何なのか、それを言語化、ビジュアル化するために本質を捉える力が必要です。

本質を捉えるために、多様な視点を持つ

本質って言葉で言うと簡単だけれども、インサイトを掴まないとなかなか見えてこないんです。インサイトとは、知っているはずなのに自身も意識していない本音って言いかえられるんですが、やはり物事の本質、その人が本当に考えていること、インサイトを抽出することがすごく重要です。

そうですね。その点で今の時代、生活者の目線を持つことが大切です。特にデザイナーは、どうしても自分の中の正解、自分の好きなものを作りがちなんです。インサイトを掴むためにはまず、いかに自分のバイアスに気づき生活者の目線になれるかどうか。

僕もそれ、すごくわかります。本質を捉えるために、デザイナーは自分以外の多様な視点で物事に対して検証、観察することが必要だと思いますね。子ども視点だったらどう見えるか、高齢者視点だとどう見えるか、もしくは政治家視点で見たらどうか。いろいろな視点を持って本質を抽出する感覚は僕にもあります。自分視点から離れることができたタイミングで、仕事が早くなったり、自分の中以外の部分から新しいものが生み出せたりすると思います。

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ロジックも直感も
両方活かす
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